2012年上半期の日本経済は、大震災後の停滞を乗り越えて緩やかな回復基調にある。しかしそれを維持させるには、少なくとも3つの壁を乗り越える必要がある。
第一に、どうやって成長路線を維持するかということである。上半期の経済成長は消費が牽引した結果である。今年1~3月、GDPの60%を占める個人消費は前年比で1.1%の増加だった。震災の反動である7~9月を除けば2年ぶりの高水準である。なかでも自動車など大型耐久消費財は1.8%増だった。自動車の消費が増加した主因は、政府によるエコカー補助金制度にある。これにより自動車市場は活気づき、トヨタが売り出したハイブリッド車「AQUA」は納車まで5か月待ちとなっている。1~6月における新車販売数は前年同期比で53%増加した。7月4日までの補助金申請は210.68万台に達している。
とはいえ、日本のエコカー補助金制度は消費の前倒しである。この制度は3000億円の予算が尽きない限り2013年2月まで継続されるが、現在の旺盛な消費を見る限り8月までには終了し、その後は販売数が低迷すると見られる。2010年のエコカー補助金政策は同年9月に終了したが、続く10~12月の自動車販売数は24%も減少した。