次に、欧州債務危機の悪化などから生じる円高にどう対処するかである。2012年に入ってから欧州債務危機がますます悪化しており、資金の逃避先となった円の高止まりが続いている。7月10日には1ユーロ97円の水準にまで上昇。日本企業が予測していた為替相場は1ユーロ105円であることから、日本企業の損失は計り知れない。さらにアメリカ経済や中国経済の低迷も、日本の輸出産業にマイナスの影響を与えている。
第三に、電力不足による生産への影響である。5月7日以降、日本の全ての原発が停止しており、今年の夏は全国的な電力不足に陥ることになる。とりわけ関西電力は、夏場の電力消費ピークにおいて10%の電力不足となる。沖縄を除く他の電力会社でも5%の不足が見込まれている。日本総合研究所の湯元健治氏は、関西地区は日本の製造業において大きな比重を占めており、電力不足が生産の長期低迷を招くと指摘する。
さらに、電力会社が使用する燃料コストは毎年3兆円以上増加しており、沖縄電力を除く8社の電力会社が大きな赤字に陥っている。すでに東京電力は企業および家庭用電気料金の値上げを発表しており、他の電力会社も追随することは必至だ。日本生命基礎研究所の斉藤太郎氏は、電気料金の値上げが消費を低迷させるとする見方を示す。個人消費の低迷にせよ、生産の低迷にせよ、いずれも日本経済に大きな影響を与えそうだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月14日