中国のマクロ経済政策は「困惑」の時期に入ったようだ。連日にわたって発表された上半期のマクロ経済指標は楽観視できないもので、近く発表される国内総生産(GDP)成長率も8%を割るとの見方が強い。さらに、中国国務院の温家宝総理はこのほど、「適度な投資の伸びを維持する必要がある」と述べ、「安定的成長」が中国のマクロ経済政策の当面の急務であることは明らかだ。
国内経済の下押し圧力が大きく、国外経済が低迷し続ける中、「短期の成長維持」と「中・長期の構造調整」の2つの目標を矛盾なく同時に実現するにはどうしたらよいか。北京のエコノミストが、中国国内で関心の高い経済問題について答えた。
中国経済に「デフレ入り」の動きはまだない
このほど発表された指標を見ると、消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、購買担当者指数(PMI)はいずれも低水準で推移している。ところが、取材に応じた専門家は、中国経済はまだデフレすれすれの状態ではないものの、デフレを防止する用意が必要だとの見方を示した。