近年、韓国家電メーカーの世界市場進出を受け、日本製の家電の存在感が薄れている。この逆境の中、日本エアコン産業が活況を呈しており、激しい競合が展開されている世界市場で確たる地位を築いている。各部屋に独立した電源を持つ「ダクトレス方式」がヨーロッパ大陸を席巻し、米国市場への進出を開始している。
日本冷凍空調工業会のデータによると、2011年の世界全体のエアコン需要が9000万台に達し、冷却した空気をダクトにより各部屋に送る「ダクト方式」がその8-9割を占める。
「ダクト方式」は米国での人気が高い。米国人の部屋は広く、建物全体の温度調整がしやすい。ただし各部屋の温度を個別に設定することはできない。また「ダクト方式」は大掛かりな工事が必要で、取付費用と電気料金がかさむ。
日本が開発した「ダクトレス方式」は、各部屋に単独で室内機を設置するため、ダクトを必要としない。温度調節を各部屋で行えるため、省エネにも効果的だ。取り付けも「ダクト式」より簡単で、日本の他に中国でも主流となっている。