林国本
さいきん、北京の新聞で、Eビジネスの発展で、北京の何軒かの民営の書店が経営不振に陥って廃業したことを知った。かつてはこの書店で著者たちのサイン会に顔を出したことのある人たちが、「惜別」の感をあらわにしていたが、私見ではあるが、これは時の流れであり、この現実を是認すべきだと見ている。
われわれの孫の世代のライフスタイルを見ていても分かるように、活字離れ、紙媒体離れは歴然たるものがあり、やがてはデジタル時代のライフスタイルが主流を占めるようになるであろう。
北京では、国有系の新華書店がまだ繁華街の一角で「繁盛」しているようだが、これは自分の不動産をもっていて、べらぼうに高い家賃を払う必要がないからである。それでも店員などの人件費、光熱費などはたいへんな額に達するであろう。そのためか、エスカレーター周辺のコーナーを、いろいろな業者に貸して、文房具、みやげ類など書籍と直接関連のないものを売っている。もしも高層ビルそのものが自分たちのものでなければ、とっくに廃業していることであろう。