◆通貨政策の調整余地が一層広がる
人民元為替レート形成メカニズムの一層の市場化は、中国の通貨政策の調整余地を広げ、さまざまな金融改革政策の実施にも有利となる。
「今後マクロ規制面の直接関与措置(貸付管理や預金準備率の調整)は徐々に減少し、代わりに公開市場操作で金利に影響を与えるやり方が取られるようになり、金利の変動もまた為替レートの変動に影響を及ぼすことになる。今後の調整措置は市場化の方法が主となる」と、アナリストが語っている。
国務院発展研究センターの金融研究所総合研究室の陳道富主任は、「人民元相場はすでに双方向変動の時期に入っており、為替レート変動の背後にある通貨管理能力や経済成長状況は一層注目されることになる。人民元相場双方向変動傾向が強まったことで、海外における人民元資産の双方向取引のチャンスも増え、これら資産の流動性が向上し、人民元相場が一方的に上昇する局面での人民元資産しか保有できない構図が打破された。これは、人民元国際化の基盤を固め、人民元オフショア市場の発展を推進する上でプラス要因となる」との見解を示した。