先月、国家発展改革委員会と国家エネルギー局が共同で行った記者会見によると、中国の今年前半5か月間の消費電力量は明らかに落ち込んでいる。全国で消費された電力は前年比で5.8%の増加だが、増加率は6.2ポイント下がっており、近年来の低水準となった。
これに対し国家発展改革委員会マクロ経済研究院の副院長、王一鳴氏は、これは構造的な問題であるとの見方を示した。経済がシュリンクするとき、消費財の下降幅は小さなものにとどまる一方、投資財の下降幅は大きくなる。セメント、鋼材、ガラスなどは大量の電力が必要となるため、それらの生産が大幅に下がれば、電力消費量も大幅に下がる。「そのため、中国経済の落ち込みを、消費電力量の落ち込みだけで判断することはできない」と同氏は言う。
海外の金融機関が中国経済のハードランディングを心配している。彼らの見解に対し王一鳴氏は、「中国のハードランディングはありえない。中国経済に急激な失速の兆候が見られないからだ」と反論する。