中国保険監督管理委員会(保監会)は23日、『保険資金委託投資管理暫定弁法』(以下『弁法』と略)を発表し、証券会社・ファンドによる保険資金の受託運用を許可した。業界筋は、これは保険資金受託運用分野の公平な競争を促し、保険資金の運用効率の向上にプラスとなると見ている。24日付中国証券報が伝えた。
◆大手証券会社・ファンド会社の利益拡大にプラス
中国では、現在中小保険会社が急速な成長を続けているが、その多くは投資経験が不足しているため、リスク管理に優れ、専門性の強い投資管理機構への資金委託運用のニーズが高まっている。
『弁法』では、保険資金の受託運用ができる証券会社や証券資産管理会社の条件について、資産受託運用業務資格の取得から3年を経たこと、直近1年間の受託運用資産残高が100億元以上または集合運用資金残高が50億元以上であることと規定している。
中国証券業協会のデータによると、2011年の受託運用資産残高が200億元を超えたのは中信証券と中金公司で、100―200億元となっているのは申銀万国、国泰君安、海通証券、東方証券で、100億元近くとなっているのは信達証券、光大証券、華融証券、広発証券、華泰証券などの証券会社が挙げられる。大手証券会社ほど保険資金受託運用の解禁で利益を受けることになる。
また、『弁法』では、保険資金の受託運用ができるファンド会社の条件について、特定取引先資産管理業務の資格の取得から3年以上を経たこと、直近1年間の受託運用非貨幣資産残高が100億元以上であることと規定している。銀河証券基金研究センターのまとめによると、2012年6月30日現在、この条件をクリアしたファンド会社は華夏、嘉実、易方達、南方、博時、広発、銀華、大成、富国、華安、工銀瑞信などの33社となっている。
ある証券筋は、証券会社・ファンドによる保険資金の受託運用の解禁は、保険機関の保険資金運用ルートの多様化や運用効率の向上、証券会社・ファンド会社の収益拡大にプラスとなる。