世界経済が金融危機による深刻な影響を乗り切った後、景気回復が遅れる欧米各国と比べ、アジアの新興経済国は2010-2011年に高度成長を実現し、世界経済の成長の主な原動力となった。しかし今年に入ってから、欧州債務危機による影響が表面化し、アジア全体の貿易情勢が悪化に向かった。オランダ経済政策分析局(CPB)が毎月実施する、世界貿易情勢の動向に対する調査によると、今年1-5月の世界貿易額は前年比2.6%増となり、昨年の8.5%の増加率を大きく下回った。世界経済の成長の原動力とされてきたアジアの貿易額はわずか2.6%増に留まり、昨年の12.1%から大幅に低下した。アジアの輸出は、2009年4月ぶりのペースで悪化している。
アジアのサプライチェーンは世界貿易額の増加に多大な影響を与えるため、日本の釣魚島問題を巡る過ちが世界経済に与えるマイナス影響は、時間の経過と共に顕在化するだろう。これはすでに疲弊していた世界経済に対する追い打ちであり、誰も望まぬ結果であることは明らかだ。
「人民網日本語版」2012年9月25日