ゆえに日本が頼れるのは米国だけだ。日本が米国の天然ガス輸出先になるためには、米国の自由貿易協定(FTA)締結国に加わる必要があるが、日本は現在も米国とFTAを締結していない。アジアと欧州の天然ガス価格は現在、米国の数倍に達している。天然ガスを液化天然ガスに加工し海外に輸出すれば、米天然ガス企業にとって大きな利益が生まれる。しかし米国国内では、シェールガス輸出が国内エネルギー価格の上昇を招く可能性があるため、反発の声が高まっている。
この状況下、日本が米国の同盟国であることを理由に天然ガスの輸出を求め続ければ、米国は天然ガス輸出を交換条件として、日本の米国従属を特徴とする日米同盟関係を強化し、TPP加入に積極的な態度を示すよう日本に求めるだろう。
日米同盟関係がエネルギー問題によって強化されることが予想され、日本が同盟関係で受動的な立場となることから、中国は必要な準備を整えるべきだ。
「人民網日本語版」2012年12月24日