それでは、安倍氏の過激な政策は予想通りの効果を得るだろうか。その結果は根本的な解決には至らず、安倍氏の過激な政策は日本政府がかつて犯したミスを繰り返すだけになるだろう。
日本のバブル経済は1990年より崩壊し、株価と地下が暴落し、1500兆円の資産が失われた。日本の銀行システム、企業の資産負債表に現代の世界経済では稀に見る打撃が加えられた。国民の消費意欲も大幅に低下した。バブル経済の崩壊後の一定期間に渡り実施された緩和的な財政・金融政策は、極端な保守主義者でなければ、一概に否定するべきではない。政策は最終的な需要を創造し、流動性を確保することで、景気悪化を防ぐべきだ。しかし財政・金融拡張を長期間実施したにも関わらず、日本経済が根本的に回復することはなかった。これは日本経済の症状が、古い処方箋を用いても治らないことを示している。長期間に渡りカンフル剤を投与すれば、体がそれに持ちこたえられなくなる可能性もある。