外需に対する過度の依存から、歴代の日本政府は円安を主要目標としてきた。日本政府は先ごろ頻繁に外国為替市場への干渉を行ったが、得られた効果は短期的な微々たるもので、円高進行が続いた。また頻繁な干渉により、日米間の政治的対立が生じた。安倍氏は今回、市場干渉から紙幣発行の増加に重心を移そうとしており、米国・欧州より過激な紙幣発行を通じ円安を促す構えだ。先ほど大量の資金が円キャリー取引により日本から流出し、円安に対して多少の影響をもたらした。しかし現在は日本ばかりではなく、世界各国がゼロ金利・低金利国になっており、円相場に対する影響力が低下している。
野村證券のリチャード・クー(中国名:辜朝明)氏は、「バブル経済崩壊後の日本企業は、表面化している以上の損失を被った。企業は1990-2005年に渡り、経営利益によりこの損失の埋め合わせをしていた。限られた資金は企業の借入を促さず、むしろ企業は借金返済を続けている」と指摘した。これは日銀の大規模な金融緩和にも関わらず、資金が実体に流入しない原因をある程度説明している。しかしこれは、2005年から現在に至るまで、企業の投資意欲が依然として低下していることの説明にはならない。