紛れもないことに、ここ数年は海外産粉ミルクが破竹の勢いで広大な中国市場を占拠し、消費者に崇拝されるようにすらなっていた。さきにはオランダで中国人が粉ミルクを買い占めるので、現地の乳幼児の分がなくなり、多くのスーパーマーケットで購入制限措置が執られるということもあった。中国人の買い占めの動きはドイツ、デンマーク、オーストラリアなどにも広がり、聞く人を暗澹とした気持ちにしてきた。
中国ではなぜ高品質で消費者のニーズに応える粉ミルクが作れないのだろうか。国産粉ミルクが中国人消費者に信頼されないのはなぜだろうか。あるネットユーザーは、食品の安全問題を解決するのは空に上るよりも難しいと冗談交じりにいう。これは半分冗談だが、なかなか見過ごせないものを含んでいる。
中国人の粉ミルクニーズの問題を解決したいなら、海外産粉ミルクにばかり頼ってはいられない。広大な国内粉ミルク市場が海外企業に攻略されるのを黙って見ているわけにもいかない。中国産粉ミルクは自分で自分を強くする必要がある。国内の乳製品企業や乳製品業界は羞恥心を忘れずに行動しなければならない。広告で信頼を得られるわけはなく、製品を自画自賛しても評判が上がるわけなく、空想で業績が上がるわけもない。中国人が国産粉ミルクに好感をもつようにするには、向上に向上を重ねようとする信念、高い基準を求める姿勢、嘘偽りのない措置、これらに軸足をおくことが唯一の道になる。