(四)指導層は工業化・都市化・農業現代化という「三化同歩」戦略を調和的に推進しており、大規模な投資・金融サービスの需要が生まれる。中国国家発展改革委員会と国連の予想によると、2020年までの新型都市化により、25兆元以上の投資・消費需要が創出される。しかし「新型都市化」は都市群(特に中小都市)のインフラ整備を支柱とし、戦略的新興産業の集約化発展による新型工業化を原動力とし、農業現代化の支援を拡大しようとするだろう。中小都市、新興産業、「三農」(農業・農村・農民)は、新型都市化の建設の過程において、最も重要な融資・金融需要の主体となる。残念ながら、これらの主体は全体的に「素養」が低い。現行の体制内で公式金融機関は「コスト―収益」に基づき考慮するため、分散的な資金需要に対する支援に消極的だ。推算によると、中国の銀行業は一定規模・基準額以下の企業向けの融資比率が5%に達しておらず、先進国の54%という水準を大きく下回っており、かつ一定規模以上企業向けの融資比率を約25ポイント下回っている。現行の金融システム・金融機関は、新型都市化がもたらす金融需要を目前にしながらも、売りやすい商品・サービスを開発しておらず、収益率と成長性の大幅低下は自然な流れだ。
金利の市場化および新型都市化建設の加速は歴史的な新時代を迎えており、国はさまざまな措置を講じ金融システムの再構築を促すだろう。例えば、新型金融機関や信託・企業債などの銀行に属さない貸付商品、民間賃借や私募ファンドなどの民間金融により、隅々まで資金が行き渡る金融システムを構築する。また複数レベルの資本市場の建設を合理的に推進し、融資構造の不均衡を調整するといった対策が考えられる。中国金融業の非伝統的な銀行業務の市場シェアは必然的に向上し、社会融資総額における銀行貸付以外の比率が高まり、商業銀行全体の市場シェアがさらに低下するだろう。