▽市場を資源配分の主体に
実際のところ、「通貨の過剰発行」は表面的な現象であり、その裏には中国経済構造のアンバランスや金融体系発展の遅れといった問題が隠れている。中国のマネタイゼーションの過程には、他国とまったく異なる構造的・制度的基礎が存在する。その核心は、(1)政府が主導となったマネタイゼーション、(2)国際資本の循環を受けた「受動的な創造」、(3)金融資源配分の効率低下だ。
張茉楠副研究員は、「通貨の中にいれば、通貨の仕組みを理解できないため、通貨の外に出て通貨を見直す必要がある。政府主導の資源配分モデルから脱却し、市場を資源配分の主体とし、投資への過度な依存をやめ、金融分野の全面的な改革を促進することで初めて、通貨の過剰発行を緩和することができる。人民銀行による通貨発行抑制や信用貸付規模に頼っていてはこの局面を変えるのは難しい」と指摘する。
周小川総裁は、「我々は2008年以降、世界的な金融危機に対応するために積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策をとってきた。政策自体は正しいが、何がしかの副作用がもたらされることは確実だ。金融政策にはタイムラグが存在し、一部の効果や現象がやや遅れて現れることもある。金融危機への対応の際は、マクロ経済調節に適度に力を入れる必要があるが、危機が過ぎた後は逆方向の調整が必要だ」と指摘する。
「人民網日本語版」2013年2月7日