中国人民銀行(中央銀行)が今月8日、中国工商銀行シンガポール支店に人民元の決済業務の権限を委譲して決済行として以来、シンガポールが海外メディアの注目を集めている。業界では、シンガポールが集める人民元建て預金の規模は大陸部と香港に次ぐという見方が一般的だ。ある分析によれば、現在、国際貿易では米ドル建てで決済することが多いが、金融危機で米ドルが不足すると、米ドルの貿易融資コストが跳ね上がり、人民元が中国と他国との貿易決済の新たな選択肢になったという。
▽初の海外での人民元決済行
同シンガポール支店の周金竜副総経理(副総裁)は13日、取材に応える中で、同シンガポール支店は現在、人民元の決済業務の実施に向けて積極的に準備を進めていると述べたが、業務スタートの具体的な日程は明かさなかった。同行によると、人民銀が中国以外の国で人民元決済行を選定したのは今回が初めてのケースであり、人民元の国境を越えた利用がまた新しい着実な一歩を踏み出したことを物語るという。
「人民網日本語版」2013年2月16日