お年玉の額には地域差もあり、また交際範囲によっても異なる。広州のあるIT企業で働く鐘瑛氏は「感謝の意を込めて両親に渡すお年玉を含めると、今年はお年玉の総額が8千元前後になり、給料1カ月分に相当する」と語った。年越しにかかる費用の増加は、多くの家庭においてプレッシャーとなりつつある。今年の春節前にネット上で行われたアンケートによると、年越しに給料3カ月分の金額を消費すると答えた人は約40%に達した。このうち多くを占めるのが、両親や子供たちに渡すお年玉などの交際費だ。また、70%以上の人が、今年の年越し費用は昨年を上回ると答えた。
年越しにかかる費用の高騰を受け、年越しの習慣を見直そうという世論も出ており、かつての「象徴的な意味」を持つお年玉に戻そうと呼びかける声もある。中山大学の葉春生教授は、「お年玉は中国人の交際方式の一種であり、祝福の意を伝える意味があるが、金額は自身の経済状況に基づき決めるべきだ。中国南部の一部地方ではこんな古い風習が残っている。お年玉を受け取って中身を確かめた後、そっくりそのまま相手に返すというものだ。こうすれば祝福を相手に伝えることができるだけでなく、経済的負担にもならない」と語る。