欧米の経済体が相次いで量的緩和政策をうち出したことにともない、特に日本の中央銀行(日本銀行)が無制限の金融緩和をスタートしたことにともない、一部の経済体では通貨切り下げの傾向がますます顕在化している。円安の影響を受けて、韓国ウォンをはじめとする一連の通貨が弱くなり、通貨切り下げのドミノ倒しが起きている。「重慶日報」が伝えた。
招商銀行のシニア金融アナリストの劉東亮氏は、「目下の東アジア地域の通貨情勢を『通貨競争』と呼ぶことはできないが、ある程度の競争的な通貨切り下げが徐々に表面化している」と話す。
先進国の通貨が競うように切り下げられ、輸出を主な牽引力とする新興市場国に与える影響は言うまでもない。1930年代には隣国を利用して自国の問題を解決するという貿易戦争が起こったが、一部の先進国はその再演を懸念し、また流動性の氾濫が自国の実体経済にダメージを与えることを心配する。