中国社会科学院(社会科学アカデミー)世界経済・政治研究所国際投資研究室の張明副主任は次のように指摘する。円の切り下げによる拡散効果は次の3つの点に現れている。一つ目は、他国に通貨の切り上げ圧力を与え、通貨競争や貿易摩擦の激化をもたらしていること。二つ目は、グローバル短期資本の流動の規模と変動性を増大させていること。三つ目は、世界のエネルギー価格と大口商品価格を高止まりさせ、中国を含む国々に輸入型のインフレ圧力を与えていること、の3点だ。
貿易ルートへの影響だけでなく、日本の極端な金融緩和政策は国境を越えた資金の流動となって中国にも影響を与える可能性がある。経済学者の彭文生氏によると、円の地位は米ドルの地位とは大きな開きがあり、このたびの日本の通貨緩和の取り組みの規模は米国の取り組みよりも小さい。よって日本の政策が与える影響は米連邦準備制度理事会(FRB)が与える影響よりも小さいという。
「人民網日本語版」2013年2月19日