統計データによると、日本の1月の輸入額(円建て)は7.3%増となったが、輸入商品の数量は前年同月比1%減となった。円の対米ドルレートが下落したため、円建ての輸入額が急増したことになる。輸出にも同じ事が起きている。1月の輸出額は6.4%増となったが、輸入商品の数量は6%減となった。現時点では、日本の貿易収支に対する円安の改善効果は、限られていると言える。
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎エコノミストは、「1月の貿易赤字は、市場の予想を上回るものとなった。特に対中輸出に大きな改善が見られず、日中関係の悪化が日本の貿易に与える影響が予想を上回っていることを示した。円安を受け、今春より日本製品の輸出が増加する見通しだが、2014年前に貿易赤字を逆転させることは困難だろう」と指摘した。