中国、大気汚染対策で石油製品品質基準の引き上げを検討

中国、大気汚染対策で石油製品品質基準の引き上げを検討。

タグ: 中国大気汚染対策

発信時間: 2013-02-26 18:41:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

■ガソリン品質の向上、コストは誰が負担?

-----企業・公衆・国家利益のバランス

大気汚染を改善するため、中国の自動車排気ガス基準は数回の引き上げを行った。しかしながら、これに伴い複雑な心境に陥る人も出ている。「国IV基準」の車を運転しながら、「国III基準」のガソリンを使用するというケースがあるのだ。

中国国家基準化管理委員会の関係者は取材に応じた際、「中国のガソリン品質改善は開始が遅れ、国I基準が全国的に実施されたのは2000年からだ。一方で欧州は2000年にEURO-III基準を全面的に実施しており、中国は2段階の差をつけられた。現在、EUと日本はガソリン・ディーゼルオイルの硫黄分を10ppm以下に、米国は30ppmに引き下げている」と語った。

国際クリーン交通委員会のウォルシュ元代表は、「中国の一部の地域では国IV基準のガソリンが供給されているが、これはつまり中国の石油化学企業が高品質の石油製品を生産する技術力を持つということだ」と指摘した。広東茂名石化公司の技術者は、「国内の大型・正規の石油化学企業と海外企業の生産方式には、大きな差が存在しない」と明かした。

中国石油化工集団公司(シノペック)科学技術開発部技術監督所の付偉副所長も以前、「石油製品の品質向上の問題について、中国石油化学業界の技術は十分なレベルに達している」と語った。

それだけの技術力を持ちながら、ガソリンの品質向上はなぜ最後まで後回しにされるのだろうか。専門家は、「これには高額の費用がかかる。また品質向上後にガソリン価格を調整しないならば、石油会社が品質向上を行う動機もない」と指摘した。

付副所長は、「価格のねじれは、最も重要な問題だ。海外の場合、石油製品の品質向上にかかる費用は、3者によって負担される。国家は減税により3分の1を負担し、残りは生産者と消費者が負担する。中国の場合、石油会社と国民が折半している」と語った。

中国石油大学工商管理学院の董秀成副院長も同意見で、「石油精製工場は設備投資を増やす必要があるため、生産コストが上昇する。その上昇幅は工場によって異なる」と話した。

中国国務院の常務会議は、「合理的なコスト補償、高品質・低価格、汚染者負担の原則に基づき石油製品価格を合理的に定め、かつ家計の苦しい人々や公益性業界に対する補償政策を充実化する」とした。

董副院長は、「石油製品の品質向上は、政府・消費者・企業が共同負担するべきだ。政府が補助を提供し、消費者が一部の価格上昇分を負担し、石油精製会社が一部のコストを消化すればよい」と提案した。中国発展改革委員会エネルギー所の周大地元所長は、「公共の交通機関に対する補助は合理的であるが、その他の自動車用ガソリンに対するエネルギー補助は、低所得者と高所得者の格差拡大につながる」と懸念を表明した。

董副院長は、「石油製品の品質向上は、国家の長期的な発展目標、美しい中国を建設するという戦略的目標に合致する。品質向上と基準引き上げは必然的だ。企業・公衆・国家利益の間でバランスを見出すことが重要になってくる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2013年2月26日

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