■公益性は保ちつつ、価格は市場に基づいて変動
鉄道の制度改革が行われると、乗車券の価格はすぐ上昇することになるのだろうか。これまでの学割や公共輸送はなくなってしまうのだろうか。
「回答」は鉄道の公共輸送について、鉄道の公益輸送をめぐる補助金メカニズムを構築する必要があるとの見方を明確にうち出す。鉄道には学生、負傷して障害を負った軍人を輸送したり、農業に関わる物資を輸送したりといった公共輸送の任務があり、青海省と西蔵(チベット)自治区を結ぶ青蔵線や新疆ウイグル自治区南部を走る南疆線などの公共鉄道は経営状態が赤字に陥っている。こうしたことを踏まえて、鉄道の公益輸送に対する補助金メカニズムの構築を検討し、財政補助金などの方法の採用を検討して、鉄道の公益輸送で生じた損失を適宜補償するとしている。
このようにして、鉄道の公益性は保たれることになる。行政部門と企業部門が分離した後、公益性に関わる損失は政府が穴埋めすることになる。
乗車券価格について、鉄道部前部長の盛光祖氏は「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)開催期間中、次のように述べた。鉄道の平均乗車券価格は安すぎる。列車の切符は今後、市場のルールと企業化された経営に基づき、乗車券価格は市場の需給に基づいて上下動することになる。
楊部長は、「鉄道、道路、航空輸送、海上輸送であれ、郵便であれ、いずれも一定の公共性を備えている。現在、わが国には総合的な交通輸送システムが基本的に形成されており、このたびの改革を通じて、新たな1ページを開くことになる。順調なスタートを切って、経済社会の発展や国民生活の改善にふさわしい貢献をすることを願う」と述べた。
「人民網日本語版」2013年3月18日