ドリフト走行の開拓者とされる元レーシングドライバーの土屋圭市氏は4月11日に北京金港サーキットで、一汽トヨタが輸入販売を開始したばかりの「トヨタ86」を運転し、消費者に向け絶妙なドリフトを披露した。中国青年報が伝えた。
86はトヨタのスポーツカー市場回帰を示す最新製品だ。トヨタはかつて、スポーツカー市場で輝かしい成績を記録したことがある。1965年には「トヨタ製スポーツカーの元祖」と呼ばれる「スポーツ800」が、1967年には高性能スポーツカー「2000GT」が発売され、その後さらに一連の高性能スポーツカーと、セダンをベースとした準スポーツカーが発売された。ところが新世紀になると、世界自動車消費にモデルチェンジが生じた。環境保護基準が日増しに引き上げられ、欧米経済の発展が減速し、若者の興味がスポーツカーからミニバンやSUVなどに移り、スポーツカー市場全体が縮小した。トヨタは2007年にスポーツカーの生産を停止した。
しかしトヨタはスポーツカーを諦めていたわけではない。豊田章男社長はスポーツカーを生産し、トヨタのスポーティーな躍動感を取り戻そうとした。豊田章男社長の指示を受け、トヨタはスポーツカー戦略をリスタートした。86は同戦略の1機種目の製品だ。トヨタは将来的に86を軸とし、一連の高級機種・入門機種を開発する。トヨタの役員は、「トヨタはこれまで保守的で単調な自動車メーカーとされていたが、現在は86や多くのスポーツカーにより、トヨタのイメージに変化が生じている」と語った。
一汽トヨタの広報担当者の馬春平氏は、「トヨタは全体的なモデルチェンジに取り組んでいる。トヨタは86のメインターゲットを若者とし、さらにクラウンやカローラなどの伝統的な量産型機種をモデルチェンジ・デザイン変更する際に、若々しくおしゃれで活力あふれるイメージを演出している。これまでのトヨタが落ち着いた地味なイメージであったとするならば、今のトヨタは運転の楽しさや時代の流行を追い求めていると言える」と語った。
馬氏は、「86は一汽トヨタの製品ラインナップを豊富にするが、これによりチャンスを創造し、スポーツカーや運転に魅力を感じる若い顧客を勝ち取ることの方が重要だ。一汽トヨタの全機種は若返りを目指し、活力と躍動感を高めていく。86により若者のトヨタブランドおよび一汽トヨタへの注目を高め、若年層に向けたブランドイメージの変革を進める」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年4月22日