中国内陸部市場の二つの政策関連情報が中長期投資を行う投資家の注目を集めた。一つは、中国国務院常務会議が個人投資家の海外投資制度を設けるべきであると提起したことである。翌日の米株式市場の中国関連株はこれを受けて強く反応し、米株相場がほぼ横ばいの中、中国関連株はいずれも急騰した。二つ目の情報は、中国国家外匯管理局が『為替資金の流入管理強化の関連問題に関する通知』を発表し、多方面から国際的な裁定取引(アービトラージ)資金の流入を抑制することで、人民元の切り上げ圧力及びホットマネーの流入が金融政策に及ぼすダメージを緩和することを目指すというものである。8日付中国証券報が伝えた。
香港株式市場にとって、この二つの情報はいずれも好材料である。前者は人民元建て資本項目の兌換の自由化が進む中、内陸部の投資家の香港市場における投資にプラスとなる。後者は、最終的には内陸部市場と香港市場の資金面の相反する「シーソー効果」に反映され、人民元の代わりとして、ホットマネーの香港ドル建て資産に対する人気が高まる。4月下旬以来、香港株は徐々に内陸部A株の圧力から抜け出し、欧米市場の上昇傾向に追随して上昇している。それに伴って、A株市場とH株市場の連動性も弱まり、AH株プレミアム指数の水準も著しく下がっている。そのきっかけは、数カ月前に比べ、香港株式市場が資金面で根本的に好転し、米ドル対香港ドル為替レートの低下も香港株式市場に国際資金が戻ってきていることを示したことである。
「中国証券報」より 2013年5月8日