▽大量の資本流入が人民元の上昇推進
人民元が上半期に猛烈な勢いで上昇したのは、市場における外国為替の供給と大いに関係がある。中でも主導したのはホットマネーだ。
曁南大学国際商学院の孫華�康教授の指摘によると、中国の為替市場は需給関係と管理要因(中央銀行の介入など)によって決定される。需給関係には資本の流入や貿易黒字が含まれる。上半期には貿易黒字が目立ち、このうち一部分は本来のルートではないところを通ってやって来たホットマネーで、大量の資本が流入したことにより市場では外国為替の供給が多くなった。
国際市場のホットマネーはなぜ中国を好感するのだろうか。孫教授の分析によると、第一の原因は、中国の金利は海外より高く、ホットマネーが利ざやを稼ぐ余地があるためだ。第二の原因は、他国に比べて中国の経済成長に対する期待が高く、人民元が上昇するとみなす人は多く、このため大量の外国為替が流入して人民元の上昇を後押ししためだ。これと同時に、人民元の上昇期間に中国人民銀行(中央銀行)が特に介入を行わなかったため、上昇ペースが一層加速したことが挙げられる。