中国で子供を1人育てるには、いくら必要なのだろう。「微博(ウェイボー・ミニブログ)」では最近、「子供を育てるコストが高い中国の10都市」と題する投稿が話題になっている。同ランキングによると、北京や上海などでは、1人の子供を育てるのに、200万元(約3200万円)以上必要で、夫婦2人が飲まず食わずで20年以上働かなければならない金額になっている。西部網が報じた。
同ランキングの1位は北京で、養育コストは276万元(約4416万円)。以下、上海247万元(約3950万円)、深セン216万1千元(約3460万円)、広州市(広東省)201万4千元(約3220万円)、杭州市(浙江省)183万2千元(約2930万円)、南京市170万1千元(約2720万円)、武漢市(湖北省)160万6千元(2570万円)、青島市(山東省)152万6千元(約2440万円)、西安市(陝西省)142万5千元(約2300万円)、長春市(吉林省)131万5千元(約2100万円)と続いた。
同ランキングは、夫婦共働きで得られる給料と養育費の対比も記しており、北京の場合は、夫婦二人が飲まず食わずで23年間働かなければならない。そのほか、上海は同20.58年、深センは同18年、広州は同16.78年、杭州は同15.27年、南京は同14.18年、武漢は同13.3年、青島は同12.72年、西安は同11.88年、長春は同10.96年となっている。
子供一人を育てるのに必要なコストが最も高い北京の内訳は以下のとおりだ。
1、妊娠時の栄養・食事管理に必要なコストが1年で約4万元(約50万円)。
2、出産前後にかかる費用(検査や手術を含む)が約1万元(約16万円)。
3、出産後から1カ月間にかかる費用:約1万元。
4、学校に通い始めるまでの6年間にかかる日用品にかかる費用(粉ミルクやオムツ、補助食品、果物、服など)30万元(約480万円)。
5、学校に通い始めるまでの6年間の教育にかかる費用(早期教育、医療、玩具、家政婦など)72万元(約1150万円)。
6、学校に通い始めるまでの6年間のそのほかの費用(保険、旅行など)12万元(約190万円)。
7、7歳から大学卒業までの教育費(通常の学費や通常外に学校に支払う費用、校区外の入学希望校に入るために必要な択校費など) コネがあれば60万元(約960万円)で済む。
8、7歳から大学卒業までの教育に必要なそのほかの費用(文房具や塾、家庭教師、習い事など)48万元(約770万円)。
9、プレゼントや生活費、そのほかの費用が16年間で48万元。
計276万元。
ネットユーザーは賛否両論
同ランキングには、ネットユーザーから、「このデータには度肝を抜かれ、目を丸くするしかなかった」と驚きを隠さない声や「このランキングはとても価値がある。今後負わなければならない責任がどれほど大きいかを教えてくれている」との声が上がる一方、「子供一人に本当にそんなにかかる?私は絶対信じない」など、懐疑的な声も多く寄せられている。
また、「この計算の仕方は、教育につぎ込むお金が多すぎで、養育コストの大部分を占めている。一般家庭すべてがそのようにできるわけではない。『択校』などを考えなくていいのなら、義務教育の段階ではそんなに多くの費用はかからない」と否定的な声があがる一方、「現在、いい学校に入るのはますます難しくなっているし、費用も高騰している。いい学校に入るために、コネを利用したりしたらお金がかかるし、よもすれば数万、十数万なんてお金はあっという間に消えていく」とする声もある。
このように、同ランキングには、賛否両論が上がっているものの、「子供を育てるための経済面での負担は大きく、回避できない」という意見には同意する人がほとんどだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年7月6日