労働問題に詳しい弁護士や労働組合の関係者らが選ぶ「ブラック企業大賞」のノミネート企業が27日、公表された。ノミネートした8社は以下の通りで、8月11日にこの中から大賞が発表される。
1.ワタミフードサービス株式会社
2008年6月、正社員が入社わずか2カ月で精神疾患と過労自殺に追い込まれた。後の調査で、自殺した社員は厚生労働省が定める過労死ライン(月80時間の残業)をはるかに上回る月141時間の残業を強いられていたことが分かった。自殺の原因は過労によるものであると認定されたが、創業者である渡辺美樹会長は遺族に対し、いまだに面談も謝罪も拒否している。
2.株式会社クロスカンパニー
「女性社員の働きやすい企業」として宣伝されている企業であるにも関わらず、2009年10月、入社1年目の女性正社員が極度の過労・ストレスにより死亡した。同女性社員の9月の時間外労働は、少なくとも111時間以上だったという。
3.株式会社ベネッセコーポレーション
2009年、人事を担当する人財部に「人財部付」という特別な部署が新設され、配属された女性社員は、自分を受け入れてくれる部署をさがす「社内就職活動」をしながら単純作業をするように命じられていた。しかし、実際にはその部署は退職以外には方法がないと思い込ませる場として設置されているもので、女性社の自主退職を強制した。
4.株式会社サン・チャレンジ(ステーキのくいしんぼ)
2010年11月、株式会社サン・チャレンジが運営するレストランチェーン「ステーキのくいしんぼ」渋谷センター街店の店長だった男性(当時24歳)が、店舗が入居するビルの非常階段の踊り場で首吊り自殺した。亡くなる前の8カ月、同男性の残業時間は最も少ないつきでも162時間30分、最も多い月で227時間30分に達していたという。
5.株式会社 王将フードサービス(餃子の王将)
2013年2月5日、「餃子の王将」で働いている25歳の男性が、王将フードサービスを相手取り損害賠償を求める裁判を起こした。長時間労働のためにうつ病を発症し、休職を余儀無くされたとして訴えている。
6.西濃運輸株式会社
2010年12月31日、神奈川県内の支店で事務職をしていた23歳の男性が、硫化水素で自殺した。亡くなった月の残業時間は98 時間に達し、男性は三度にわたり退職を申し出ているにもかかわらず、会社側はそれを拒否していたという。
7.株式会社東急ハンズ
2004 年3 月、心斎橋店(大阪市中央区)の台所用品売り場を担当する男性(30歳)が帰宅後、心臓に異常をきたして就寝中に突然死した。亡くなる直前の2ヶ月間はバレンタイン商戦などの繁忙期で、時間外労働は平均して月に約90時間を超えていた。
8.国立大学法人東北大学
年12月、東北大学薬学部助手の男性(当時24歳)が「新しい駒を探して下さい」との遺書を遺し、研究室から投身自殺した。同年10月から、助手の男性は指導教授の指示により、生殖機能異常などの副作用がある抗がん剤の実験に従事し、自殺直前2カ月の時間外労働は104時間、97時間だった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年7月7日