日本は23日、マレーシア東部の都市コタキナバルで開かれているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の18回目の交渉会合に正式に参加し、TPPの12番目の参加国となった。日本が加わると、国内総生産(GDP)の合計が約26兆~27兆ドルと世界全体の38%、貿易総額では世界全体の約3分の1を占める。日本はTPP交渉に参加することで米国との同盟関係を強化する狙いがあると専門家は、指摘する。日本のTPP参加で、中国は地域における経済的、戦略的影響力を失うリスクに直面する。環球時報が伝えた。
◇年内のTPP協定締結は困難
日本は、今回の交渉会合に鶴岡首席交渉官率いる100人規模の交渉団を派遣した。日本国内のTPPをめぐる対立は主に支持派の自動車や家電を代表とする産業団体と反対派の農業団体の間に集中している。TPPは2015年までに加盟国間の全ての貿易の関税撤廃を原則とするハイレベルの自由貿易協定。2009年11月、オバマ米大統領は日本でTPP交渉への参加を表明。その後、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの4カ国が交渉に参加した。
米国のブローマン貿易代表は18日、「年内のTPP協定締結は難しいが、やってみせる」と意欲を示した。ただ専門家は、TPP交渉を年内に終わらせることについて楽観的ではない。「日本に残された交渉の時間が少ない」と指摘する。
◇中国は経済的、戦略的影響力を失う可能性も
「環球時報」の取材に専門家の多くは、日本のTPP参加は明らかに政治的狙いが経済的利益を上回るとの見方を示す。「日本はすでに米国において比較的大きな生産力を持っている。米国が日本車の輸入関税を撤廃したところで日本への経済的メリットは非常に小さい。日本のTPP参加は米国との同盟関係強化が狙い」。
TPP交渉は米国が国際貿易のルール決定権を手にする重要な戦略でもある。TPP協議の知的財産権に関わる分野の交渉は2012年に発効された米韓自由貿易協定をベースにしている。今後のTPP協議で確立されるルールも先進国を中心とする準国際貿易ルールになるだろう。
経済的面からみると、日本は中国より先にTPP交渉に参加した。後から交渉に参加する国は先に参加した国が成立させた条項を覆すことはできないため、日本はTPP貿易ルールづくりで優位に立つことになる。そのためすぐにTPP交渉に参加しなければ、中国は多くの製品やサービスでTPPの要求を満たすことができず、TPP締結国への輸出ができなくなる。中国は地域における経済的、戦略的影響力を失うリスクに直面している。政治的面からみると、日本がTPP参加に成功すれば、日本と米国の関係はより一層緊密になる。これが中米関係に影響を与えることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年7月24日