ホンダと広州汽車集団(広汽集団)はこのほど、2016年に「アキュラ」ブランドの製品を生産することで合意に達した。これは東風ホンダが長年準備を進めてきた、アキュラの生産計画が終了したことを意味する。アナリストは、「東風ホンダは製品ラインナップが乏しく、近年は新車種を発売しておらず、市場から淘汰されようとしている。頼みの綱であったアキュラの生産計画も、今や水泡に帰してしまった」と語った。中国新聞網が伝えた。
◆救世主アキュラを頼みにした東風ホンダ
ベンツ、BMW、ボルボ、ジャガー、ランドローバーなどの高級ブランドは近年、市場の旺盛な需要を満たすために、現地化生産を始めている。東風ホンダはアキュラ導入の準備を長年に渡り進めており、自社に転機をもたらすことに期待していた。消息筋は、東風ホンダはアキュラ獲得に自信を深めていたと指摘した。同社のサプライヤーは早くから、アキュラの国産化に向けた準備を進めていた。しかも2008年に同社の中高級セダン「スピリア」(アキュラTSXがベースの車)が上海で正式発表された際に、同社はアキュラを「待っている」という情報を流していた。
東風ホンダの車種は少なく、高い競争力を持たない。データによると、同社の販売の60%以上を占めるCR-Vは2012年に、SUV販売ナンバーワンの座をフォルクスワーゲンのティグアンに奪われた。CR-Vの今年1-4月のSUV市場におけるランキングは3位に転落し、1位の哈弗(Haval)に7万台弱の差を付けられた。現在の販売データを見ると、形勢逆転が期待されていた新型シビックは、満足のできる答案を提出できなかった。アキュラと広汽集団の提携は、東風ホンダにとって痛恨の極みと言える。