中日韓自由貿易協定の構築を推進するには、よく協力し、危機をチャンスに変えることが必要だ。現在、世界経済の不確定性が増大しており、特に新興市場の経済体に広い範囲で経済の混乱が起きている。ロシア、ブラジル、インド、南アフリカが経済成長の急激な落ち込みや通貨の急落といった泥沼に相次いで足を踏み入れ、長年世界経済のトップを走る優等生だった中国も経済成長ペースが鈍化している。
東アジア地域の経済が全体的にペースダウンする中、地域のリーダー役の経済大国である中日韓が、自国の問題を隣国に押しつけたり、調整の圧力を他国に転嫁したりする道を歩めば、それは間違った道に他ならない。3カ国は団結し、地域内の協力を強化することによって、国際経済の混乱による衝撃を軽減させなければならない。そのためには、国際経済・金融で新たな混乱の圧力がかかる中、東アジアの金融協力を加速的に推進し、金融協力推進を中日韓自由貿易協定の構築に組み込み、東アジア全体の危機対応力を増強するのがよい。中国は貿易相手先の経済の安定と成長を牽引し、これによって自国の対外経済貿易の持続可能な発展を牽引する十分な力がある。中国がさらに望むことは、より多くのパートナーの参加を促し、地域経済を安定させる力を発揮して、地域経済安定に向けて恒久的なメカニズムを構築することだ。