■経済回復促進のため繰り返した財政刺激策
バブル経済崩壊後、日本政府は経済回復を促すため、財政刺激策を繰り返し、公共投資を拡大して、財政収支の不足分の拡大を招いた。バブル経済崩壊前の1990年度、財政収支の不足分は5.6%だったが、2000年度には44.3%、2012年にはさらに49%にまで拡大した。巨額の不足分は国債増発により補填するほかなく、政府債務は急速に増加した。
■高齢化による社会保障費の増加
日本は出産を制限するどころか奨励しているが、それでも急速な高齢化という問題に直面している。総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は今年25.1%にも達した。つまり4人に1人が高齢者なのだ。高齢化が財政状況に与える影響は主に2つ。第1に、労働力人口および所得税納税者の減少が歳入に影響を及ぼす。第2に、年金受給者数が増加する。高齢者は病気にかかる率が高いため、医療や介護など社会保障費もそれに応じて増加する。
すでに社会保障費は日本財政にとって最大の負担になっている。近年、社会保障費は年1兆円規模で増加している。2013年度の国の歳出全体に占める社会保障費(29兆1000億円)の割合は31.4%。一方、中央財政が直接支配できる国税収入(法定割合に従い地方交付税分を差し引いたもの)はわずか26兆7000億円で、全てを社会保障費に充ててもなお不足する。