ロシアメディアによると、ロシア天然ガス大手ガスプロム社のアレクサンドル・メドヴェージェフ副社長は、日本のメディアの取材に対し、日本への天然ガスパイプライン敷設計画を断念し、朝鮮半島の情勢を見極めつつ朝鮮経由で韓国にパイプを延伸すると述べた。副社長は、「日本へのパイプライン敷設も検討したが、漁業と環境に悪影響を及ぼすという研究資料もあるため、この計画は断念した」と説明した。「参考消息」が伝えた。
ロシアメディアの14日の報道によると、ロシア天然ガス大手ガスプロム社は韓国ガス公社(KOGAS)との間で2009年6月にロシアから朝鮮経由で韓国に天然ガスを送るパイプライン計画の実行性について共同研究することで合意していた。2011年9月に双方はパイプの路線図を確定し、同年11月初めに、2017年には韓国に天然ガスを供給できるとの考えをアレクセイ・ミレル社長が示していた。
メドヴェージェフ副社長は、「米国のガス輸出の潜在能力は不確定で、米国の年間輸出量に対する各国の予想は1000万トンから1.1億トンまでさまざま。米国のシェールガスとの競争も含め、市場の公平な競争に心配は不要」と自信を示した。また、米国の主な輸出先は中国、インド、ベトナムなどアジア太平洋地域の国と経済成長が見込まれる国だと副社長は考える。
報道によると、ガスプロム社は現在ウラジオストクに年間生産量は1000万トンの液化ガス工場を建設する計画がある。同社は日本企業への天然ガスの輸出拡大も望んでいるが、今後の見通しは日本政府の原子力政策によって決まるとしている。
関係筋によると、天然ガスはロシアの輸出収入の10%を占めるが、欧州各国の電力会社が廉価な米の石炭の購入に傾斜したことが原因で、2012年、ロシアの欧州向けの輸出量は大幅に減少した。そうした状況もあり、ロシア側としては2013年末までに中国との天然ガスの大口契約を結びたい考えだが、現在価格決定を巡って交渉が難航している。また、ロシア第二の天然ガス企業であるノヴァテク社も中国同業大手の中国石油天然気集団(CNPC)にヤマル液化天然ガスプロジェクトの20%の権益を売却する契約を先月結んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年10月18日