だが根本的なことをいえば、日本の貿易赤字を増やし続けている真の原因は、日本の産業分業が国際化の方向へ変化しつつあり、国内の産業の空洞化現象がますます目立ってきていることにある。ある専門家の指摘によると、こうした構造的な変化が日本の貿易赤字を長期化させる可能性がある。1980年代の日本では、海外への生産移転ブームが何度か起こり、円安と日本政府の政策が企業の海外進出を一層後押しした。21世紀になると、日本国内の投資環境はますます悪化し、企業は海外への生産移転の歩みを加速した。現在では自動車、電子、機械といった日本の基幹産業の海外生産率は40%から60%に達する。70%に達する企業もある。こうした情況の下で、日本の経済情勢がよくなればなるほど輸入も増える。今年上半期の情況をみると、企業の生産が活発になったため、生産に必要な原材料や部品の輸入が大幅に増加した。これと同時に、日本国内で生産されない、あるいはほとんど生産されない衣類、カバン類、日用雑貨、一般の家電製品、電子製品が大量に国外から入ってくるようになった。円安は輸入コストを増大させるが、国内の好調な販売によって生まれた利潤が為替差損をおおむね補填している。たとえば9月は輸出が前年同月比11.5%増加したが、輸入はこれより多く16.5%増加した。これでは貿易赤字が増加するのは当たり前だ。
現在の情況から考えると、貿易赤字を高止まりさせる複雑な原因に今後短期間で大きな変化が生じることはあり得ない。原発問題で日本政府が方針を変える可能性はあるが、日本企業の海外進出の歩みは止まらず、円安傾向をくい止めることも難しい。よって日本の貿易赤字の継続は長期化するだけでなく、日本経済の長期的な発展に重大な影響を与える可能性があるといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年10月24日