▽通貨投入量は世界一
国内で生活する人にとって、人民元の価値が下落している感じがますます強くなっている。蘭教授は例を挙げて次のように説明する。「2005年に標準価格500グラムあたり1.90元だった米が、今では同3.30元になった。8年間の平均上昇率は9.2%だ。米を買うということについていえば、05年の1千元と比べ、13年の1千元で買えるコメは05年の576元分に過ぎない。つまり、人民元は国内では価値が下落したということだ。
中国社会科学院(社会科学アカデミー)金融重点実験室のの劉�復輝主任によると、ある国の通貨が外で上昇し内で低下するという現象は、世界の新興市場国でよくみられることだ。特に一連の経済体は弾力性に乏しい為替レート制度を選択し、米ドルに対しソフトペッグ制を実施している。その長所は短期的には生産要素の低い評価によって貿易が黒字になり、外貨準備が蓄積され、国外の資本が流入するというところにある。だが国内経済が徐々に温度を上げ、さらには過熱するようになると、これに対応して物価上昇とインフレが発生する。
蘭教授によると、長年にわたり、国内の経済成長は投資により多く依存し、大幅に増加する貸出に頼ってきたため、中国の通貨投入量はふさわしい量を超過した相当の金額に上っていた。今年第1四半期(1-3月)末には、広義マネーサプライ(M2)が100兆元を超えた。02年初頭は16兆元で、約10年間で6倍増加したことになる。中国の通貨の規模を国内総生産(GDP)と比較すると200%を超える。中国の経済規模は世界2位で、米国の約3分の1だが、通貨投入量は経済規模世界一の米国の1.5倍あり、世界一だ。