国家統計局がまとめたデータによると、内蒙古のGDP増加率は03年が17.9%、04年が20.5%、05年が23.8%、06年が19.1%、07年が19.2%、08年が17.8%、09年が16.9%だった。ある専門家の見方によると、内蒙古が高度成長を維持した原因は、なんといっても比較の対象となる数字の低さにある、03年のGDPは2388億3800万元に過ぎず、10年になるまで1兆元を突破できなかった。その次は資源という優位点だ。内蒙古には石炭など豊富な鉱物資源があり、これまでの経済の拡大によってこれらの資源への需要が高まり、価格が持続的に高騰した。また資源の高騰が不動産などの投資を盛んにした。こうした要因が相まって、内蒙古の経済は長年にわたって20%前後の高度成長を維持し、増加率は最も高かった05年には23.8%に達した。
だが08年に国際金融危機のダメージを受けて、中国経済の伸びが鈍化し、資源製品への需要が急速に減少した。石炭などの鉱物資源の価格が大幅に低下したことにより、内蒙古の経済は持続的発展のエネルギーを失った。
その一方で、国の政策による天津市への支援作用が明らかになり始めた。05年から浜海新区が第11次五カ年計画(2006-10年、十一五)に組み込まれ、国の発展戦略に取り入れられ、国が開発開放を重点的に支援する国家クラスの新区になり、天津は急速に人気の投資先となっていった。また天津のGDPも比較の対象となる数字が低く、11年にやっとGDPが1兆元を突破して1兆1307億2800万元になった。比較対象の数字の低さと政策のてこ入れが作用しあい、天津は10年にGDP増加率1位の座に着くことになった。