電子商取引(eコマース)を代表とするインターネットは、その力強い実績によって伝統的な実店舗に絶えず警鐘を鳴らしている。あるいは弔いの鐘を鳴らしているともいえる。このほど終わった独身の日(11月11日)の熱に浮かされたような買い物ブームでは、阿里巴巴傘下のショッピングサイト天猫だけで取引額が350億元を超えた。今年9月の社会消費財小売総額は2兆653億元、一日当たり平均は688億元だったので、中国のネット利用者は独身の日に天猫で全国の消費者の一日当たり消費額の半分を消費したことになる。「京華時報」が伝えた。
この数字をみれば、eコマースが伝統的な小売産業につきつける挑戦を誰も無視することはできない。消費者の消費力には限界があり、天猫などのeコマースサイトに集中すれば、実店舗の経営は必然的に打撃を受けることになる。
軽視してはならないのは、増え続けるネット利用者が(今年7月時点で5億9100万人)、独身の日のような買い物ブームを経験する中で、便利で安いネットショッピングという消費モデルにますます親しみを覚えるようになったということだ。それから伝統的な小売産業が不動産価格の持続的な高騰、ビジネスモデルの問題で生じた大量の在庫、大量の資金の占用などから、遅かれ早かれ存亡の危機に直面するであろうということだ。
こうした危機的状況の中で目にするのは、変化について考えたり変化に適応しようとせず、イノベーションを行わず、消費者に真の関心を払おうとせず、手を結んで抵抗する戦略を採り、長年にわたって築かれてきた既得権益同盟の裏ルールを固守しようとする伝統的な商店や企業の姿だ。問題は、この戦いの最終的な決着をつけるのは消費者ということだ。実店舗で売られているものより安くて質のよい商品(淘ブランド、ネット発ブランド)がネットで大量に売られているのを見たら、消費者は値段の高いオフラインの店舗を選択するはずがない。
eコマースは伝統的な小売産業に大きな変化をもたらした。多くの商売がネットなしでは成り立たなくなっている。家電量販店の国美や蘇寧といった実店舗はすでにネットの販売ルートを確立し、今年の独身の日には銀泰をはじめとする伝統的な商店やブランド品取扱業者も「O2O」(オンライン・ツー・オフライン)のモデルに挑戦し、局面を変化させるパワーをもったeコマースに主体的に融合し、新たな転機を模索しようとした。こうした動きこそ、真に長期的な視野をもった動きだといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年11月13日