しかし2009年より、中国自動車市場の成長率に低下の兆しが見え始めた。その後の数年間はこの流れが続き、同時に中日の外交関係が悪化した。またFWを代表とするドイツ車が、一般消費者向けの大衆ブランドから高級車のBMWやアウディに至るまで、中国人消費者が最も好む製品となり、さらには韓国車も逆境のなか追撃をかけた。これにより、日本車の販売が再び疲弊した。
またFWは早くから、華南市場の巨大なビジネスチャンスを目にしていた。華南地区には自動車産業が密集しているが、FWの中国事業は北西方面の新疆ウイグル自治区に向かい進められていた。FWの中国南方の戦略は、日本車独走の局面の打破だ。
一汽VW仏山工場で2013年9月にゴルフの生産が開始され、将来的にはアウディの生産も予想されている。VWは計画通りに南方の戦略配備を完了した。一方で、日本車の回復はさまざまな要素に左右される。トヨタやホンダなどは構造調整に取り組んでいるが、政治・市場環境の影響により、日本車は忍耐力が必要とされている。またVWが局面を打破するのにも一定の時間が必要であるため、華南地区の自動車産業の構造は、まだ再構築を完了していない。