◆日本製品の人気の理由
金氏:日本人が本国の製品を信頼するのは、日本ブランドが常に品質と革新を求めてきたことと関連している。市場シェアが高い有名ブランドであっても、新製品を発売する際には品質という関門を突破しなければならない。これは日本市場に元より安価な外国ブランドがはびこっており、日本人も品質に問題のある製品に対して厳しい態度を持っているためだ。ゆえに多くの日本企業は品質を最優先している。ひとたび信頼を失えば、ブランドが失われる可能性があるからだ。
日本ブランドは消費者の需要に敏感だ。日本は生活のリズムが速く、多くの日本ブランドは新製品を続々と発売し、暮らしの利便性を高めている。例えば家電や自動車といった家庭の中で大きな比率を占める製品の場合、日本人は日本ブランドを好む。例えば自動車だが、日本は道路が狭く、環境資源が不足しているため、コンパクトカーと軽自動車が人気だ。そのため海外ブランドと比べ、日本車は国内の消費者の需要を満たしやすい。
他にも、日本企業は製造の過程において、基準化・効率化・組織化を重視している。彼らが重視するのは結果ではなく、その過程において流した汗と責任であり、飽くなき進歩を求める。私はある日本の友人と、日本の各業界は驚異的な創造力を持っていると、感嘆を漏らしたことがある。友人は、これは日本人が資源を惜しむためだと分析した。日本人は無駄遣いできるほど多くの資源を持っておらず、創造力を発揮しモノを限界まで使い込まなければ、力を維持できないことを知っている。