まず、日本経済は成長の停滞、膨大な公的債務、消費需要の低迷のほか、産業の国際競争力の弱体化、高齢化、人口の減少など縦横に交錯した難題に直面する。これは有力な構造的改革によって解決する必要があるが、こうした面の進展は最も遅れている。
次に、金融緩和と積極的な財政政策のコントロールには限界があり、日銀は国債の購入を通じて名目長期金利を引き下げ、積極的な財政政策を実施し、商業固定資産投資、住宅投資と消費を促したいが、日本の10年物国債の割合は1%以下で、公的債務のGDP比率は240%に達する。
さらに、現行の政策が所得分配の不均衡を招いている。現在の政策の受益者は主に大手企業、証券や不動産を保有する高所得層で、零細企業や低所得層には利益が少ない上、エネルギーや食品価格のコスト上昇を負担しなければならない。仮に日本が十分な構造的改革を行わなければ、インフレ目標の調整で以って増発した通貨で価格が上昇する以外に製品の生産拡大は見込めず、日本はデフレによってスタグフレーションに向かう可能性が高い。