日本政府が今回打ち出した新たな経済政策の狙いは、来年の消費税率引き上げに伴う経済衰退に対応し、経済が長期低迷に陥るのを回避することにある。日本の経済研究機関の分析によると、来年4月に消費税引き上げ後、経済成長は大幅に減速し、第2四半期の成長率は5.6%まで落ち込む。もし政府が何も手を打たなければ日本経済は第3四半期以降、再び衰退期に入るという。しかも2015年に消費税率は10%へとさらに引き上げられる。こうした連続的な増税は日本の企業や消費者に大きな打撃を与えるに違いない。
安倍内閣の経済ブレーンの浜田宏一氏は、消費税をやみくもに引き上げれば、日本政府がこれまで打ち出してきた経済救済、デフレ脱却のための努力がすべて水の泡となると繰り返し呼びかけている。概算すると、消費税引き上げで確かに6兆円近い税収増が見込めるが、増税後、企業の投資意欲や国民の消費意欲が減退し、政府に5兆円の財政損失をもたらす。景気が衰退すれば、財政収入は自ずと減少する。そうなれば、経済成長の低迷だけでなく、財政再建の目標も実現できなくなる。