中国社会科学院が10日に北京で発表した2014年『経済白書』は、「中国の工業には余剰生産能力の状況が存在しているが、多くの業界のハイエンド領域は大量の輸入に依存している。例えばチップの90%は輸入に依存しており、毎年の輸入額が石油を上回っている」と指摘した。
類似する状況は、その他の業界にも存在する。中国はエンジン・油圧機器・伝導機器・制御技術などのコア部品の技術が不足しており、輸入への依存が深刻だ。ハイエンド医療機器の70−80%は、割高な輸入品か外資ブランドに依存しており、検査費用を押し上げ、患者の負担を重くしている。
同白書によると、多くの業界ではハイエンド生産能力が不足しているほか、深刻な余剰生産能力の現象が存在しており、産業構造を歪ませている。中国の2012年の鉄・コンクリート・電解アルミ・フロートガラス・船舶の生産能力の利用率は、それぞれ72%・73.7%・71.9%・73.1%・75%のみで、世界平均水準を大幅に下回った。伝統的な産業のみならず、太陽光発電・風力発電などの新興産業においても、深刻な余剰生産能力の問題が存在する。輸出の障害などの影響を受け、中国の多結晶シリコン生産メーカーの稼働率は50%にも満たない。
同白書によると、余剰生産能力は大量の資源の浪費を生み、環境に対する圧力を拡大している。また企業間の悪性の競争を招き、企業の技術革新の原動力と能力を損ね、産業の全体的な効率の向上に影響を及ぼしている。余剰生産能力は、経済運営における際立った矛盾、さまざまな問題の根源であると言える。
同白書によると、一部の産業の発展は外需、世界市場に依存しており、世界市場が低迷するか、貿易保護政策が講じられた場合、深刻な圧力を被ることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月11日