総面積106.46平方キロメートルの横琴新区は、珠海の190ある島の中でも最も大きな島で、マカオとわずか34海里の距離にある。国家レベルの戦略「広東マカオ協力モデル地区」が始動し、横琴はマカオ経済の多元的な発展を促し、香港・マカオの長期的な繁栄と安定を維持する役割が期待された。2009年12月16日、横琴新区が正式に発足。2年後の2011年3月に調印された「広東マカオ協力フレームワーク」は横琴の未来を大きく左右するものとなった。
横琴では様々な分野で新しい取り組みが伺える。例えば、「一島二制度」による澳門(マカオ)特別行政区管理下のマカオ大学の創設、全国初の人材管理改革モデル地区の建設、全国初の官僚の財産申告制度の実施等が挙げられる。「広東マカオ協力フレームワーク」によって、横琴とマカオとの協力は今後ますます広がりをみせ、協力レベルも高まるだろうとの配慮から、貿易の優遇策も整えられた。横琴とマカオの税関は「第一線」、横琴から珠海市への入り口は「第二線」と呼ばれ、「第一線」と「第二線」を通過する貨物を審査する制度が実施される。審査の数は多くなるが、人とモノを分け、種類別に審査するため、通関手続きは早くなる。また、一般の税関と違い24時間利用可能になる。また、貿易の公平性と安全性を維持するため、横琴新区の周辺に最新の技術を駆使した監視カメラが設置され、24時間密輸を監視する。
横琴新区はマカオのさらなる発展を促し、中国の新しい発展地域となることを目指して設立されたため、建設の時から経済特区ではなく、都市として建設計画が立てられていた。路面の空間を節約するために、給水管、光ファイバー、高圧ケーブルといったものはすべて全国最長の33.4kmの地下トンネルに埋めてあり、24時間管理されている。また、人材交流を促すため、マカオ大学は新区の中に設置し、政府による人材誘致の政策に支えられる「広東マカオ漢方薬ハイテク産業園」を設立した。この産業園は漢方薬に関する生産、認定、国際的な交流の担い手となる。
2020年までに横琴は大規模な建設と企業の誘致を終わらせ、新しい産業を集約した新都市となる。ビジネスサービス、金融サービス、レジャー、文化、ハイテク、科学研究と漢方薬といった7つの産業以外に、病院、住宅など生活に欠かせない要素もある横琴は、マカオないし全国の発展に大きな力を注ぐことになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月21日