15ヶ月に及ぶ低迷期を経て、2014年の新年早々に、金価格は低下の流れを盛り返し、5%の反転上昇を見せた。世界の金価格は偶然にも、春節(旧正月)の消費シーズンに上昇した。中国国内の金市場では、金購入のブームが生じた。しかし多くのアナリストは2014年の金価格を懸念している。専門家は取材に応じた際に、「今回の価格上昇は単なる技術的な反転に過ぎず、一時的な現象である可能性が高い」と指摘した。ある投資銀行は、「金価格の上昇の勢いは緩やかで、今年の金価格が持続的に上昇する可能性が低いことを示している」と分析した。
北京黄金取引センターのチーフアナリストの張磊氏は記者の取材に応じた際に、「このほど米国経済のデータが芳しくなく、米国の株価が低下している。また多くの新興国の為替相場が下落しており、市場のリスク回避のムードが強まっている。これは短期的な資金の金市場への回流を促しており、世界の金価格を押し上げている。全体的な印象として、市場の注目は貴金属市場に戻っておらず、この価格上昇率はそれほど高いものではない」と語った。
張氏は、「米国は今年、デフレのリスクに直面する可能性がある。新興経済国のデフレのリスクも加わり、2014年の世界経済の環境はさらに複雑化する。2014年を全体的に見ると、世界の金価格は大幅に変動し、2013年の価格低下の圧力を放出する」と判断した。
オランダ銀行は報告書の中で、「金価格は今年末に1オンス当たり1000ドルまで低下し、2015年12月までに800ドルまで低下する」と予想した。金価格がこの水準まで低下するのは、2008年ぶりとなる。
一部のアナリストは、楽観的な態度を示した。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、バンクオブアメリカ・メリルリンチのアナリストらは、「金山の供給縮小、予想を上回る物価上昇に対する投資家の不安により、2014年下半期に金価格が押し上げられ、2014年末に1オンス当たり1250ドルに達する」と予想した。投資家は今年、金投資の興味深いチャンスを迎えるかもしれない。
春節の連休、金購入ブームを引き起こす
世界の金価格低下、春節の販促といった影響を受け、多くの消費者は金購入を新年の消費計画に入れた。午年の春節に、中国国内の金(実物)市場は再び活況を呈した。多くの焦点が金販売のカウンターを増設し、販売を強化した。報道によると、中国最大の金販売店の菜百は、春節中の売上が7億元を突破し(1日平均1億元超)、延べ数十万人の来客を迎えた。売上は2013年同期より5%増加し、販売数と重量はいずれも20%増となった。
春節の「ゴールデンウイーク」が終了したばかりで、一部の都市では金価格が再び低下を迎えるという情報が流れており、バレンタインデー前の金価格が安定化している。しかし関連機関は中国の金消費の将来性に期待している。世界黄金協会は、インドの金に対する厳しい輸入規定により、中国が2014年にインドに代わり世界最大の金消費国になると予想している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月12日