経済の活力を刺激するためには、企業と民間のイノベーションによる牽引力の発揮が不可欠であり、改革の出発点もそこにある。現状は融資コストの高止まりを受け、社会投資の意欲が低下している。イノベーション力と実力を有する一部の国有企業が利益を独占しており、古いものを退けて新しいものを生み出すことを望んでいない。そればかりか、参入条件などの産業政策を通じて、イノベーションを抑制している。そのため、金融改革と国有企業改革を徹底して推進すべきであり、緩和的な金融政策、高金利、融資難、高い融資コストが混在する複雑な現状を変え、新たな主体の市場への参入を後押しすることで競争を促進し、一部の業種に存在する独占体制を打破し、経営効率の低下局面を改善する必要がある。
イノベーションの後押しにあたって、政策支援によって新たなリスクの種を撒いてはいけない。生産を過剰に支援すれば、新たな生産能力過剰の問題を生み出しかねない。また、補助金の対象を定めるにあたって、公的機関との結びつきが強い企業や国有企業の後ろ盾がある企業に偏ってはいけない。政府の支援が行き過ぎたために、市場化改革が徹底されないことがやはり、根本的な原因であると言える。
現在の状況を見ると、改革の推進には一刻の猶予もない。少しでも手を緩めれば、チャンスを逃すことになる。難題に直面してもひるまない精神と固い決意を持って、克服していく必要がある。それでこそ、中国経済はモデルチェンジという偉業を成し遂げることができる。
「中国証券報」より 2014年2月14日