中国は年に一度の全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)の時期に入った。中国の両会に対する海外の注目度は、近年高まり続けている。2014年は、中国が改革を全面的に進化する「元年」とされており、米週刊誌『タイム』は中国の「歴史的な転換の年」として定義付けた。中国の外国人大使は、中国と海外の交流を最も直接的に結び付ける架け橋、中国を最もよく理解している外国人であり、その独特な視点で中国の両会を解読できる。
駐中国ロシア大使 政府活動報告に注目
アンドレイ・デニーソフ氏は2013年4月に駐中国ロシア大使に就任した。着任してから間もないが、中国の「古い友人」であるロシアから派遣された大使のデニーソフ氏は、中国の両会に対して理解を深めている。デニーソフ氏は記者の取材に応じた際に、最も興味を感じているのは両会の中国政府の活動報告だと語った。
デニーソフ氏は、「高度成長と行政機関の改革推進の間で、中国政府は適度なバランスを求めている。これを背景とし、投資面の活動は予想よりも減少し、信用貸付のリスクを低減する。この過程は適度でコントロール可能で、激しい変動が生じることはないはずだ」と指摘した。
内需の発展は中国経済の短期的・長期的な発展の主な原動力だ。デニーソフ氏は、「内需に関する措置に注目を続けていく。ロシアが特に興味を感じているのは、すでに本格的に準備を整えている電子商取引(EC)など、一部の新興業界の発展だ」と語った。
デニーソフ氏は、「中国の各業界で働いているロシア人も、中国の改革とそれに関連する法制度に注目している。例えば昨年の全国人民代表大会常務会議で可決された会社法(公司法)の修訂案(未発効)は、登録資本金額の条件を引き下げた。ロシアの企業が関心を寄せているのは、これが外資系企業にも適用されるか否かだ。彼らはまた、地方政府がさらに法的支援を提供し、中国での経営活動の条件を簡略化することに期待している」と話した。