輸出の戦略的意義、中国は再認識が必要

輸出の戦略的意義、中国は再認識が必要。

タグ: 中国輸出

発信時間: 2014-05-09 16:50:21 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

国務院発展研究センター党委員会メンバー、弁公庁主任の隆国強氏は、中国証券報の記者に対して、「輸出構造のモデルチェンジは、企業のみならず、国家全体のモデルチェンジだ。輸出の役割を見直し、輸出の戦略的意義を再認識するべきだ」と指摘する。9日付中国証券報が伝えた。

 

輸出のモデルチェンジは国家のモデルチェンジ

 

記者:中国の輸出構造には、どのような深い変化が生じているのか?輸出企業は海外貿易のモデルチェンジに、いかに適応するべきか?

 

隆氏:これは中国の比較優位の転換から理解するべきだ。2003年以降、人口構造がルイスの転換点を越え、人件費の優位がすでに失われている。比較優位の転換は企業に対して、モデルチェンジ、国際的な競争力の再構築を強いた。活路は、新技術の研究開発、労働生産性の向上によってしか見出だせない。これは中国の海外貿易のモデルチェンジの大背景だ。輸出企業にとって、人件費高騰の対策は、生産拠点の移転とモデルチェンジの二つしかない。一部の企業は人の代わりにロボットを使い労働生産性を高めるか、新製品を開発している。これらはいずれも、モデルチェンジの手法だ。一部の企業は生産拠点を、沿岸部から中西部地区、もしくは東南アジア諸国に移転している。これは産業移転に属する。移転した企業は産業チェーンが長くなり、かつ関連企業の移転を待つ状態になる。人件費は安価だが、物流コストが上がるため、コスト全体が削減されるとは限らない。現時点で、大規模な産業移転に取り組んでいる企業は多くない。

 

輸出構造のモデルチェンジは、企業のみならず、国家全体のモデルチェンジだ。過去10年間の輸出で成長が最も著しかったのは伝統的な製品ではなく、船舶、自動車、機械設備などだった。以前は輸出できなかった製品が、今や輸出の競争力をつけようとしている。多くの企業の輸出が困難になってきているが、全体的に見て、輸出構造には変化が生じている。

 

記者:経済低迷の圧力を受ける中、国内の「微刺激」の措置は投資に集中している。三頭立て馬車(貿易投資消費)の貿易に何を期待するか?

 

隆氏:需要の面から見ると、投資消費貿易のいずれもおろそかにできないが、ただ単に需要の面から貿易を理解するのでは不十分だ。輸出は一国が比較優位を発揮し、国際分業の深化、効率の向上に対して重要な役割を果たす。特に中国という発展中の経済体は、輸出の工業化推進、産業の競争力の強化に対する効果、飛躍的な発展の実現に対する重要な意義を認識する必要がある。発展中の経済体は成長率が高く、先進経済体が歩んだステップを突破できる。この突破の最前提は開放だ。中国は開放後、他国が10年かかったステップを3年で突破する条件を手にした。これは開放を前提とする、発展中の経済体の強みだ。

 

輸出の重要性に対する中国の認識は、2007年までははっきりしていたが、2007年以降は黒字の拡大に伴い、人々の認識に乱れが生じた。経済が輸出に過度に依存しているとし、巨額の輸出額を問題としたのだ。実際には、他国は中国の好調な輸出を羨んでいる。金融危機後、欧米を含む先進経済体は当時の苦しみを思い起こし、製造業と輸出の復興を重視した。オバマ政権は輸出倍増の5カ年計画を打ち出した。中国は輸出の役割を見直し、輸出の戦略的な意義を再認識するべきだ。

 

加工貿易、2014年は好転か

 

記者:米国の経済回復と再工業化戦略の、中国への影響をどう見ているか?2014年の貿易に新たな注目点はあるか?

 

隆氏:先進国の再工業化戦略は、発展の理念の変化を示している。かつて多くの先進経済体は、脱工業化の時代に入り、製造業がそれほど重要でなくなり、金融やサービス業を重視しなければならないと強調した。サブプライム危機の発生後、米国も欧州も製造業を再び重視し、製造業の国際競争力を強化すれば、回復を持続できると考えるようになった。米国の再工業化戦略が成功するか否かは、多くの要素の影響に左右される。

 

予想可能な期間内において、中国と米国の分業関係の相互補完性は競争性を上回る。米国経済の回復は、中国の比較優位を持つ製品の対米輸出の拡大を促すだろう。また新興市場は、中国の消費財、中国の資本を必要としている。これは中国の輸出構造の合理化にとって、重要な意義を持つ。

 

外需の空間的構造の変化は、中国の輸出市場の構造に影響し、さらには製品の構造や貿易の方法にも影響する。これらは、いずれも密接に結びついている。米国などの先進国では2014年、経済成長率が改善されるため、加工貿易が活況を呈する可能性がある。

 

「中国証券報」より 2014年5月9日

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