報道によると、中国は全長約8000マイルの、中国と米国を結ぶ大陸間高速鉄道の建設を検討中だ。中国東北地区から出発し、シベリアを経由しベーリンク海峡のトンネルを通過し、アラスカに到着してからカナダと米国に向かう。平均時速220マイルで走行した場合、到着には2日かかる。まるで映画「007」の話のようだ。しかし専門家は、同鉄道を建設する技術が存在すると指摘した。ただし、この提案は経済の「災い」をもたらすに違いない。英ザ・ウィークが伝えた。
125マイルに達する海底トンネルを想像してみるとよいだろう。現在最長の海底トンネルは、全長が25マイルにも満たない英仏トンネルで、総工費は現在の価値にして202億ドルに達する。また火災がたびたび発生しており、2008年の火災では多くの負傷者が出て、8200万ドルをかけた修復工事が実施された。
海底トンネルの他に、中国人が提案するこの鉄道の陸上部分は、ロシアのシベリア、カナダのユーコン、米国のアラスカといった、世界で最も人の少ない地域を通過する。デラウェア大学鉄道工学・安全プロジェクト教授のAllan M. Zarembski氏は、「この地域での鉄道建設は巨額の投資が必要で、作業も複雑で困難が予想される。永久凍土の上に建設する必要があるほか、険しい山脈を貫かなければならず、さまざまな環境面の課題に直面するだろう」と指摘した。
これらの技術面・支援面の問題はすべて克服できる。中国が建設を予定しているのは旅客専用線とされているが、真の問題はここにある。例えば人々が何らかの理由で、列車に2日間揺られ、サンフランシスコから北京に行こうと思ったとしても、この線路は経済的にも収益を得られない。一般的な鉄道の建設は、1マイル当たり100-300万ドルが必要とされる。永久凍土の場合は1000万ドル、トンネルは5000万ドルで、海底トンネルはさらに高くつく。Zarembski氏は、「同鉄道の総工費は、1500-3000億ドルに達する」と見積もった。アラスカの関係者は、「少なくとも2兆ドルが必要で、しかもこれには維持費が含まれない」と予想した。
米国とカナダは高速鉄道を保有しないが、この高速鉄道と連結する場合、システムの更新が必要だ。Zarembski氏は、「中国人が利益を確保するための唯一の方法は、これを貨物輸送線にすることで、さらに成熟した海運業と競争する必要がある」と指摘した。多くのトンネル工事の経験を持つ、イリノイ州立大学教授のジョセフ氏は、同プロジェクトの工期について質問された際に、「費用や各国のクラス別交渉といった問題があるため、数十年かかるかもしれない」と笑って答えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年5月24日