古来より、黄金は富の象徴とされており、1オンス(約30グラム)で1500ドル以上の値がつく。しかし金は最も高額な金属ではない。ロジウムは30グラムで7000ドルの価値を持つ。特に希少価値の高いオスミウムとカリホルニウムの場合は、市場では値をつけられないほどだ。世界の2基の原子炉から毎年得られるカリホルニウムは、現在30グラム弱のみとなっている。ラジオ局のボイス・オブ・ロシアが伝えた。
今日、すべての金が金庫内に保管されているが、レアアースがなければ今日の科学技術の進歩はなかった。科学者はレアアースを、「21世紀の金」と称している。希少金属を取り扱う会社の代表は、「人類はレアアースの世紀に入った。これがなければ、技術の発展はありえない。携帯電話、電子機器、ノートPCなど、すべてにレアアースが使用されている」と指摘した。
今日の世界市場において、この戦略的資源の主要サプライヤーは中国となっている。中国では、世界の95%のレアアースが採掘されている。しかし中国の独占的な地位が、間もなく脅かされる可能性がある。
ロシアの科学者は、レアアース採掘の新たな技術を開発した。レアアースが化学実験室で得られるようになったのだ。この実験室は、ロシア北西部のペルミ地方に位置し、その付近にはいかなる鉱産物も存在しない。現地の化学者はイオン交換樹脂により、水から独特な元素を抽出する。これらの樹脂は通常、台所のフィルターに活用されている。この樹脂は、すべての重金属元素を抽出する。
しかし分離されたレアアースを得るためには、選択性樹脂が必要になる。この樹脂は水中で、具体的な元素のイオンを抽出することができる(金・プラチナなどのイオン)。選択性樹脂は独特な方法により生産される。これはペルミ地方の化学者の傑出した成果だ。化学者らは加工溶液および製鉄所の副産物と、通常ならば用途を持たない製品を原材料とする。これらの溶液には、現在すでに知られている金属のほぼすべてが含まれる。
多くのレアアースの性質が似通っており、複雑性を高めている。ゆえに具体的な元素を分離できる樹脂の製造は、困難かつ極めて細やかな作業である。この発明は現時点では、まだ開始段階にすぎない。しかし多くの大手鉱山開発業者、冶金産業会社が、化学者らの技術に興味を示している。加工溶液の他に、科学者らは海水の利用を提案している。世界の大洋に含まれるレアアース元素は、地上の水の数倍に達するからだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月3日