中国の当面の基礎年金収支は赤字に陥っておらず、黒字を計上しているほどだ。しかし専門家は、「中国では高齢化が加速しており、年金支払のピークを迎えようとしている。2030年頃には、年金支払は巨大な圧力に直面する」と指摘した。今後30―50年内に、年金問題が中国の経済・社会の発展を制約するボトルネックになる。中国は年金基金を補充するルートを開拓するほか、運営管理体制の改革を急ぎ、多元的なルートによる積立金の維持および拡大を実現する必要がある。20日付中国証券報が伝えた。
◆年金の赤字問題、20年後に発生か
中国老齢事業発展基金会の報告書によると、中国では高齢化が加速している。2020年には高齢者の人口が2億4800万人に達し、高齢化率が17.17%に達する。そのうち80歳以上の高齢者が3067万人に達し、高齢者全体の12.37%を占める。2050年には、60歳以上の高齢者が全体の31%を占める見通しだ。
中国証券監督管理委員会研究センター主任の祁斌氏はこのほど、「中国の年金収支は全体的に見て黒字ではあるが、これは実際には偽りの姿でる。各省の年金状況には差があり、一部の省はすでに赤字を計上し始めている。現行の年金制度を続ければ、赤字問題は20年後に目立つようになる。年金は2033年頃に最大の危機を迎える。この臨界点突破後、社会全体で雪崩式の年金赤字が発生する」と指摘した。