中国人民大学中国社会保障研究センター教授の鄭功成氏は、「経済成長率、人口増加率、現行の制度の適度な調整などさまざまな要素が、未来の収支を左右することになる。これらの要素に変化があれば、未来の赤字に対する予想にも変化が生じる」と語った。
◆早急な運営管理メカニズムの改革が必要
間もなく訪れる年金支払の強い圧力に対しては、定年退職年齢の引き上げなどが提案されているが、これは根本的な解決策ではない。年金収支の問題を徹底的に解決するため、中国は年金基金を補充するルートを開拓する必要がある。鄭氏は、社会年金保険制度改革の全体目標について、次のように提案した。2020年までに従業員基本年金保険、公職者基本年金保険、住民基本年金保険によって構成される法定年金保険制度を形成し、その他の補充的年金保険も共同で役割を発揮し、都市部・農村部の90%以上の保険加入適齢人口をカバーし、定年退職者全員に対して公平かつほぼ同水準の年金を提供する。
一部の国有資産の移転により、社会保障基金を補充する措置が、中央政府によって確定されている。中国社会科学院世界社会保障研究センター主任の鄭秉文氏は、「年金基金の資金源の支柱として、全国社会保障基金理事会の規模は少なくとも2倍になり、積極的に資金調達ルートを開拓し、安定的な積立を実現しなければならない。国有資産の移転も、加速する必要がある」と分析した。